すてきな三にんぐみ
作:トミー=アンゲラー 訳:いまえよしとも
絵本を読んであげる大きな目的の一つに,言葉の習得というものがあげられますが・・・
さて,このすてきな三人組は言葉の習得を目指す年齢の子どもに読む本としては,暗いです。
絵も暗いし,序盤は話も暗いです。
なぜなら,すてきな三にんぐみは,盗賊だからです。
でも,なぜ『すてき』なのか・・・それは読んでからのお楽しみとしておきましょう。
ところで『いつの間にか子どもが言葉を覚える』と書きましたが,それは,訳をした,いまえよしともさんが素晴らしいからです。
わたしたち日本人は,5・7調に心地よさを感じます。
例えば,『うみはひろいな(7)』『おおきいな(5)』『つきはのぼるし(7)』『ひはしずむ(5)』と文部省唱歌の多くは5・7調になっています。
いまえよしともさんの訳は,5・7調で多くが訳されていて,非常にリズムよく読めます。
だから自然と子どもの頭に言葉が残っていきます。
何度か読んだ後,試しに一文を読み切らず,区切りのいいところで子どもの顔をみてあげましょう。
すると,子どもが続きを教えてくれますよ。
そんな事をしていくうちに,自然と絵本の暗唱もできるようになったりしてしまいます。
言葉が出始めたお子さんに,絶対読んであげてほしい1冊です。
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